
2026年は午年(うまどし)。しかも60年に一度の丙午(ひのえうま)が巡ってきます。
干支の中でも極めてレアなこの年はどんな一年になるのでしょうか。
過去の午年も振り返りながら、深堀していきたいと思います。
2026年丙午(ひのえうま)年の概要
丙午(ひのえうま)は、十干の「丙(ひのえ)」と十二支の「午(うま)」が重なる年。
どちらも「火」の性質を持ち、強い情熱と行動力が際立つ一年です。表現力やリーダーシップが高まり、思いを形にするチャンスに恵まれますが、勢いが過ぎると衝突を招くことも。冷静さを忘れず、計画的に進めることが運気上昇の鍵となります。
守護本尊は勢至菩薩(せいしぼさつ)。
智慧と決断の光で迷いを晴らし、正しい方向へ導く存在です。丙午年はこの勢至菩薩の加護を意識し、焦らず一歩ずつ積み重ねる姿勢が吉。
2026年のラッキーカラーは赤・橙・金。吉方は南。
太陽のエネルギーを象徴し、発展や成功を後押しする方位です。朝に南の光を浴び、明るい気を取り込むことで気分と運気が整います。赤いアクセサリーや金色の小物を取り入れるなど、「火の輝き」を感じるアイテムが幸運を呼び込みます。
なお、2026年の恵方巻の方位は 南南東やや南 です。
過去の午年を振り返る
過去の午年を振り返ってみると、午年は節目の出来事が目立つ年でした。
2014年には、スマートフォンの普及が完全に定着し、家族の連絡や仕事の段取りが大きく変わりました。写真や動画が瞬時に共有されるようになり、思い出の作り方も更新された年でした。
2002年は、街に外国のサポーターがあふれ、国境を越えて応援する楽しさを体感した年として記憶に残っています。
1990年は世界地図の見え方が変わり、テレビのニュースを通して“今日から新しい時代が始まる”感覚を多くの人が共有しました。
1978年は空の玄関が開き、海外との距離が一気に縮まったと語られます。こうした出来事は、個人の生活にも確実に波及しました。通貨、通信、移動の更新は、日々の暮らしを静かに、しかし大きく変えていきます。
丙午である1966年は出生数の減少が話題になりましたが、その背景や迷信の歴史は別記事で詳しく紹介しています。
午年のエピソードを並べると、私たちの価値観が“外へ開く”方向にゆっくり押し出されてきたことが見えてきます。

過去の午年には何が起きた? ― 時代の転換点をたどる
干支を振り返ると、午年はなぜか時代の節目にあたることが多いようです。
ここ120年ほどをざっと見てみましょう。
| 西暦 | 干支 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2014 | 甲午 | ソチ五輪開催、LINE上場、世界中でSNS文化が急拡大 |
| 2002 | 壬午 | 日韓ワールドカップ開催、ユーロ導入、ITバブル後の再生期 |
| 1990 | 庚午 | 東西ドイツ統一、冷戦終結、バブル崩壊目前の日本経済 |
| 1978 | 戊午 | 成田空港開港、日中平和友好条約締結、世界が「交流」の時代へ |
| 1966 | 丙午 | ビートルズ来日ブーム、出生数減少の社会現象(詳しくはこちら) |
| 1954 | 甲午 | 第1回アジア競技大会、テレビ普及が本格化 |
| 1942 | 壬午 | 第二次世界大戦の転機・ミッドウェー海戦 |
| 1918 | 戊午 | 第一次世界大戦終結、スペインかぜ流行 |
| 1906 | 丙午 | サンフランシスコ地震、南極探検時代の幕開け |
どの午年にも「変化」「再生」「挑戦」というキーワードが浮かびます。
2026年もまた、何かが動き出す予感がしますね。
2026年に予定されている世界の出来事
世界ではスポーツ、宇宙、文化の面で話題が豊富です。アメリカ・カナダ・メキシコの三か国共催でFIFAワールドカップが行われ、出場国が増えて新しい顔ぶれが躍動します。
イタリアでは冬の祭典が開かれ、美しい街並みが世界の画面を飾るでしょう。若い選手が挑戦するステージも予定され、次の時代を担う人材が世界中で注目されます。
宇宙分野でも探査計画が進み、夜空のニュースが増える一年になりそうです。“大きな彗星が見えるかもしれない”という期待もささやかれ、空を見上げる楽しみが膨らみます。
スポーツと国際イベント
- FIFAワールドカップ2026(アメリカ・カナダ・メキシコ共催)
史上初の三か国開催。出場国が48に増え、史上最大規模の大会となります。 - ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(イタリア)
芸術と氷の競演が楽しめる冬の祭典。イタリアらしい華やかさが話題に。 - 冬季ユースオリンピック(韓国・江原道)
アジアの若き選手たちの舞台として注目を集めます。
宇宙・科学の話題
- NASAの探査機「ドラゴンフライ」が土星の衛星タイタンへ出発予定。
- ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の「JUICE計画」が木星衛星の探査を進行中。
- 天文ファン注目:2026年には「大彗星」が肉眼で見える可能性があるとも。もし実現すれば世界中で空を見上げる年になりそうです。
社会・経済のトピック
- AI技術がさらに生活に浸透し、「人工知能との共存社会」が現実的に。
- 世界経済はポスト金利上昇期に入り、再び「安定と再生」の流れへ。
- 再生可能エネルギー・宇宙産業・気候ビジネスが注目分野。
2026年の天気と自然の予想
気象庁や世界の観測機関によると、2026年もエルニーニョの影響が残る可能性があり、世界的に暑い夏になるとの見方が出ています。一方、冬は暖冬傾向ながら、局地的な大雪が発生しやすいとの予想も。
まさに「気候の両極化」がキーワードになりそうです。
また、2026年には天文イベントも多数。
- 8月12日前後:ペルセウス座流星群がピークに。
- 12月:日本各地で部分日食が観測予定(北海道・東北で好条件)。
星空のイベントでは、お盆前後のペルセウス座流星群が見やすく、年の締めくくりには部分日食が話題になりそうです。流星群は月明かりや雲の様子で見え方が変わるので、天気予報アプリの“雲量”をチェックし、街明かりの少ない場所へ早めに移動するのがコツです。
空を見上げる機会の多い一年になりそうですね。
日本で注目されるそうな2026年の話題
旅の需要が本格的に戻り、列車や航空の新しい動きに注目が集まります。万博の余韻や実証事業の広がりで、街のあちこちに未来の芽が見つかりそうです。自然と共生するライフスタイル、再生可能エネルギー、防災のアップデートといったテーマも身近になります。
買い物は“長く使えるものを選ぶ”という視点が定着し、修理やメンテナンスを楽しむ人が増えるかもしれません。暮らしの選択に“循環”の考え方が優しく根づく一年です。
2026年の一年を通した楽しみ方
春はスタートの季節。目標を一つに絞り、最初の一歩を具体的な行動に落とし込みます。
春は、新しい靴で歩き始めるのが似合います。通勤や買い物の道を一駅ぶんだけ歩く、お気に入りの散歩道を見つけるなど、体をやさしく目覚めさせる習慣が合います。
梅雨どきは、家の中の“乾く仕組み”を整えておくと快適です。除湿、換気、洗濯のルーティンを決め、湿気の溜まりやすい場所をメモしておきます。
夏は火の勢いが増す時期。水分と休息をしっかり取り、集中時間を短距離走のように区切ると成果が出ます。
早朝を味方に。朝のうちにやることリストを一つ片づけ、昼は無理をしない。冷たい麦茶を常備し、塩分の補給も忘れずに。秋は収穫の季節。写真や日記を見返し、うまくいったことを三つ書き出します。
秋は実りを集める季節。小さな達成をノートに書き留めると、自信が静かに積み上がります。
冬は整えるとき。感謝の手紙を書き、お守りを新しくして、一年を良い形で締めくくります。どの季節も、朝に南の空を眺めて深呼吸するだけで、気分がゆっくり整います。
冬は静けさの贈り物。湯気の立つ飲み物で一日を始め、手帳に“ありがとう”の相手を一人ずつ増やします。
2026年にやってみたい3つのこと
学び直しのススメ
午年は行動が吉。学び直しにも追い風が吹きます。無料のオンライン講座で基礎をつかみ、ノート一冊を“今年の学び専用”にして、覚えたことを手で書き留めます。難しい本は目次だけを写して、気になる章から読み進めるのもおすすめです。
三か月ごとに小さな試験を自分で作り、解けたらお気に入りの珈琲店で合格祝い。そんな遊び心が続ける力になります。
家族の時間をつくる
勢いの年こそ、立ち止まる時間が宝物になります。月に一度は“家族会議”を開いて、やりたいこと、困っていること、直したいことをそれぞれ一つだけ出し合います。全員の意見が一文で見えるだけで、家の空気は驚くほど軽くなります。
写真フォルダを整理して、印刷した写真を一枚だけ冷蔵庫に貼る。小さなアルバム作りは、先延ばしにしがちな“思い出の整頓”を楽しい行事に変えてくれます。
防災を“暮らしの定期点検”に
火の気が話題にのぼる午年は、防災を生活の一部にする好機です。コンロの周りを片づけ、感電ブレーカーの位置を確認し、非常持ち出し袋を玄関近くに移動します。飲料水は一週間分を目安に、古いものから消費して補充する“ローリングストック”に切り替えます。
家族の集合場所と連絡手段を紙に書き、見えるところに貼ります。準備は“もしも”を減らし、毎日の安心を増やしてくれます。
午にまつわる文化とことば
馬は人の暮らしを支えてきた大切な仲間であり、日本では昔から、馬は「努力」「縁」「スピード」の象徴として語られてきました。
その名残は言葉に残っています。「馬が合う」「駿馬」「馬力をかける」――どれも前へ進む力を感じさせます。午年は、これらの言葉を自分の一年に重ねてみるのが楽しいです。“馬が合う”仲間と何かを始める、“馬力をかける” 時期と休む時期を決める、“駿馬” になりすぎないようにペース配分を意識する。
これらを念頭に置いて、今年一年の行動指針にしてみるのもいいですね。日々の選択が軽やかになることでしょう。
午にまつわる小さな言い伝え
勝負の前日に爪を切らない、南向きの窓を磨いて太陽を招く、玄関マットを赤系に替える――。
どれも科学的な根拠があるわけではありませんが、心を整える習慣としては十分に意味があります。
午年は勢いが強いぶん、感情が先走りやすい年でもあります。だからこそ、心の速度を整えるための“日課”を持っておくことが大切です。
朝の深呼吸、夜のストレッチ、週末の掃除機がけ――そんな小さな行動が、気持ちの方向を静かに整えてくれるでしょう。
まとめ
丙午の年は、強さと明るさが同居します。過去の午年がそうであったように、2026年もきっと世界のどこかで新しい始まりが生まれるでしょう。大切なのは、その波に振り回されず、自分のリズムで前へ進むこと。
赤や橙の小物、南の光、そして勢至菩薩への静かな祈り。小さな習慣が日々を少しずつ明るくします。この一年があなたにとって、走り出した自分を好きになれる年になりますように。
午年の由来をもう少し
十二支の「午」は、古くは方角の南、時刻の正午、季節の盛夏と結びついて語られてきました。一日の真ん中、太陽が最も高い位置にある時間帯は、人の動きも活発になりやすい瞬間です。
そこから午には“ピーク”“転機”“勢い”といった連想が生まれ、年の干支に重ねると、物事が加速しやすい一年というイメージに広がっていきました。
丙午は火の性質が重なる年とされ、昔の人は火事や旱魃を恐れ、暮らしの用心を固めたと言われます。
現代に生きる私たちは、数字とデータで備えられます。火災報知器の点検、キッチンの消火具、避難ルートの確認など、静かな用心を生活に取り入れて、伝承を前向きに活かしたいものです。


